2013年03月10日

呼んだら来る犬にしたい! Part1

季節は一気に春。犬と一緒に外で遊ぶにはちょうど良い暖かさです。
さすがに急に20度を超えると犬も息苦しそう。寒暖差には気をつけてあげたい。

ドッグトレーニングをしていると非常に多い相談、呼んでもこっちに来てくれないっていうこと。
今回はそんなお話を。
ブログでこういう具体的な内容を書くのは久しぶりです。
これからの季節は犬と色々な所へお出かけしたいという方は多いでしょう。でも呼んでも無視される!なんてイライラは前もって解消しておきたいものです。


呼んでも来ない犬ってなんで来ないと思いますか?
もちろん犬によって様々です。ただ飼い主との上下関係ができていない・・・的な考え方はとりあえず置いておきましょう。そんな見えない糸を手繰るよりも案外理由はシンプルだったりします。

DSC03917.JPG

@呼ばれて行くと嫌なことが起こると学習してしまっている。
A単純に「おいで」などの言葉を言っているときに、その人の所へ行くという行動を学習していない。
B「おいで」と呼ばれることを聞き流すことを学習してしまっている。

ざっとこんなところでしょうか。
分かっているのにわざと来ない、そんな風に相談されることも多い。そもそも犬にわざとって言葉を自分は選ばないけど、もしわざとだとしたら、そんな事をしてまで行きたくない相手と思われてしまっているって事になる。

@について。よく言われる苦手な事を犬にする場合は名前を呼んで来させないようにしましょう、というものです。
例えば呼ばれて行ってみたら大嫌いな爪切りをされたとします。呼ばれて行くと嫌なことが起こる、そんな学習を犬にされてもおかしくない。

そこでAのように、呼ばれて行けばなにかしら嬉しいことが起こる。そう教えていくのが最も一般的かつ効果があります。
でもつい、犬を呼ぶときは嫌な体験と繋がる事のが多い。呼ばれて行くとケージに入れられたり、ドッグランで楽しく遊んでいるのに呼ばれて行ったせいで遊びが終了してしまったり。
大抵日常で犬に来てほしいタイミングは、犬からすれば不本意なものが多いと思う。
それで結果@のようなパターンにはまってしまう。
あとは来ることが当たり前と思って、呼んで来たという行動をおざなりに褒めていないケースも多いですね。


Bは犬を呼ぶ、声をかけるタイミングのこと。自分はとても重要視しています。
人間同士でも声をかけるタイミングって大事ですよね。誰かと話をしているときや、なにかに忙しいときに声をかけるよりも、ちょうど手が空いているときに声をかけてもらえればすぐ話を聞くことができます。
もしも忙しいときにずっと話しかけられていると、その人の話を聞き流す習慣が頭の中で無意識に作られる。

@ABを全てまとめると・・・普段から犬にとって嬉しくない出来事のときにばかり呼びよせて、来ることを褒める習慣がなく、犬がなにかに気を取られているときに「おいでおいで」と連呼している。すると見事に呼ばれても来ない犬に育っていくということになります。

さぁこんな悪循環を築かないためにはどうすれば良いのでしょうか。
この続きは次のブログで!

posted by 安田和弘 at 14:26| Comment(2) | ドッグトレーニング

2013年01月11日

パピー教室

本日は鏡開き。楽しかった正月ムードもフェードアウトです・・・。
福袋はなんと完売!ありがとうございました〜!
来年はよりパワーアップした福袋をご用意したいですね。


近々動物病院でパピー教室をやらせていただく。最近はその資料作りなど準備に取りかかっています。

パピートレーニングにおいてグループレッスンの価値は高い。社会化として多くの人や犬に出会えること、そしてパピーと暮らす飼い主同士が悩みを共感できたりモチベーションをお互いに高めあったりできる。
普段自分がおこなっている個人に対してのトレーニングと比較すれば、詳細なお悩みに対してのアドバイスがしにくい事、それぞれに合ったトレーニング内容を提供できない点など欠点はある。得手不得手は感じるな。

パピー教室はこれまでにも何度も経験してきたけど、毎回なにをお話しようか悩む。複数の方達にお話する分、共通した内容でなければいけないし。
パピー全般のよくある悩み相談というのはあります。
トイレトレーニング、人の手への甘噛み、そこら中の物を噛む、夜鳴き・・・。
それらを解決する糸口はお話する予定。

あとは問題行動が「予防」できるということ。
その大切さもお伝えしたい。
困ってから相談する、ではせっかくこの時期にお会いできた意味がありません。


パピー期の経験が将来に多大な影響を与えることは、これまでにもお伝えしてきたことですね。
トレーナーの立場からすればパピーからトレーニングを継続していた犬が成犬になっていくという事に、まるで試験の結果発表のような緊張感がある。
それまで続けていたトレーニングや接し方、アドバイスの仕方が本当に正しかったかどうか、ちゃんと飼い主も犬も笑って過ごせるような子に育ったのかという緊張感。

そんな責任のある大切な時期だからこそ、今回のような機会は有意義なものを提供したいと思います。

DSC03252.JPG

パピーの頃からお付き合いのあるお客様と昔話をするのが好きです。
あの頃は大変だったねぇ〜!なんて冗談混じりに過ぎた話ができること。
そこにトレーナーとしてのやりがいと楽しさを感じるから。

posted by 安田和弘 at 11:50| Comment(0) | ドッグトレーニング

2012年12月18日

勉強会を終えて

今月2回に渡っておこなった飼い主向け勉強会も無事終えることができました。
ご参加された皆様ありがとうございました!

DSC02581.JPG

今回はクリッカーを中心とした内容だったけれどトレーニング全般における考え方をお伝えしたかった。
前編はクリッカートレーニングの概要。学習の仕組みから、トレーニングの進め方について。
16日の後編はクリッカートレーニングの詳細とその先の応用編を。応用の一つとしてハズバンダリートレーニングをやってみました。

ハズバンダリー・トレーニング(Husbandry training)とは、おもに動物園や水族館などで用いられる言葉です。馴致トレーニングなどという言い方もあります。
それは動物に検査や治療などを嫌がらずに受け入れさせるための訓練手法のこと。
例えばイルカショーなどで見たことある方もいるかもしれませんが、イルカの体重を測るとき、イルカに自ら体重計に乗ることを教えておく、といった事です。大型や力の強い動物達は無理やり抑えて診察することは難しい(というか危険)。だったら診察されることを嫌がらないように慣らしてしまおう!という考え方。犬の場合であれば爪切りや耳掃除、採血などですね。

犬のために少しでも苦手なものを減らすという考え、自分はやっぱり好きです。
つい苦手なことって他人(獣医やトリマー)にお願いしてしまいがちだけど、本当は飼い主自身がそれをできるよう普段からトレーニングしておくことが大事なんだと思う。犬のために。

クリッカートレーニングで大切なのは犬の自発性を引き出すことだと思っていますが、クリッカーで多くの行動を教えられた犬は通常より馴致トレーニングの成果が早いと体感しています。
こうしたらこうなる、っていう学習の流れを犬自身が理解しているからだと思う。
こちらの伝えたい意図が伝わりやすくなります。

だからちょっとした芸事、トリックでも犬に考えさせて自発性を引き出すことは大切。
教える方は真剣です。でもそれがなにより楽しい。

DSC02903.JPG

どうか今回の勉強会を通じて犬との暮らし方がより豊かになりますように。

来年も色々と勉強会をおこなっていきたいなぁ。そのときは皆様のご参加お待ちしております!

posted by 安田和弘 at 20:29| Comment(4) | ドッグトレーニング

2012年11月19日

飼い主向け勉強会!

なかなか実行しようと思いつつ・・・忙しさを言い訳に企画しなかった飼い主勉強会を12月に開催したいと思います!
トレーニングを順調におこなう為には、大きく分けて二つのアプローチが必要だと思っています。
1、その犬に合ったトレーニング方法を見つけ日々継続していくこと。
2、犬という動物の性質や学習を理解すること。

1は普段からおこなっているトレーニングがこれに当たります。犬によってトレーニングの方法は違うからマンツーマンでおこなう価値がある。
2についても普段のトレーニングで出来るだけお話はしていますが、ちゃんと伝えられていないのが正直なところです。

そこで飼い主向けの勉強会を定期的に続けていきたいなぁと考えるようになりました。
犬という動物への理解を深める、これならグループでおこなった方が伝わりやすいと思うんです。

ということで12月、試験的に2回開催します。
今回のテーマは
「クリッカーを使いこなす!!!」

クリッカーを普段使ってはいるけれど、分かっているようで分かっていない・・・。もっとクリッカートレーニングの理解を深めたい!そんな方々へお勧めです。クリッカーの理屈を理解するということはトレーニング全般の理解に繋がります。
今年も残りわずか・・・1年の締めくくりに、イヌのこと勉強してみませんか?

DSC02524.JPG

日時:12月2日(日)  10:30〜12:00
   12月16日(日) 10:30〜12:00

料金:1回につき2000円

場所:inthedog店内

※前後編の2回完結を予定しておりますが、どちらか1日だけのご参加でも構いません。
※犬連れでご参加歓迎します。
※少人数での開催を予定しています。定員に達した場合は応募を締め切らせていただきます。

参加を希望される方は
名前、連絡先、犬連れの有無(犬連れ希望で初対面となる方は犬種、年齢、簡単に性格なども教えて下さい。)、2日と16日のそれぞれの参加の有無、を記載して下記までメール下さい。

info@inthedog.co.jp

皆様のご参加お待ちしております!

posted by 安田和弘 at 17:54| Comment(0) | ドッグトレーニング

2012年11月08日

トレーナーとの信頼関係

DSC_0195.JPG

ここ最近、冬の訪れを感じるほど朝晩は冷え込みますね。でも犬にはとっても良い季節。
長いお散歩も、遠くへのお出かけも、とても気持ち良さそう。寒さに負けず犬に付き合ってあげたいものです。


ドッグトレーニングの成果を予測するというのは難しい。問題の内容によって異なるけど、変化が感じられるのに1年かかることだってあります。パピートレーニングだってそう。やはりパピーの時期は将来的な問題行動の予防という意味合いが強いが、将来的なイメージを作るのは簡単じゃありません。そもそも先の見立てがちゃんとつくのであれば問題行動を築くこともないだろうし。

トレーニングの世界でトレーナーという職業に得があるとすれば、多くの犬に関わった経験などによってトレーニングの先が見えることだと思う。この子はこのままだと恐がりが強くなりそうだから、もっと色々な場所に慣らしていった方が良いかな〜とか。その予測した内容を飼い主さんに伝えトレーニング方法を提供していくわけです。

犬との信頼関係というのはよく話題になるが、トレーナーと飼い主の信頼関係について考えてみたい。

先にも書いたがトレーニングは結果までに時間がかかることがある。特になにか問題行動を改善しようというときに。時には一歩進んで二歩戻ってしまうことだってあります。それでもトレーニングを続けられるとすれば一体なにがモチベーションになるのだろう。

まずは自分の犬を信じること。必ず変化が表れると、根拠のない自信でも構わない。信じてあげること。
自身の犬の可能性を信じてあげられてこそ頑張ることができる。
それとその方法を提案した人を信頼できるかだと思う。

別に自分のことを信じなさい!と押し付けたくてこの記事を書いているわけではありません。
ただ疑心を抱いたトレーニングというのはどこかで犬に伝わってしまう。それになにより続けられない。

トレーナーを信頼できないとき。それは人間同士の相性かもしれないし、方法に納得ができないからなのかもしれません。前者はさておき、後者の場合はトレーナーともっと話し合うべき。どうして納得できないのか、他の方法があるとすれば何故それを選ばないのか、など。
もしそれでも信頼できないのであれば思い切ってトレーナーを変えたほうが良いだろう。

トレーナーはこれを続けてもらえれば良い結果に繋がるだろうと方法を提案します。それは飼い主がトレーニングをお家で続けてやってもらうと想定して。もし疑心が高く継続してトレーニングしていなければ結果に繋がりません。
これはある種、医療の世界とも似ているかもしれません。病気に合わせて薬を処方する、でも実はあまり医者の言うことを信じてなくて普段は内緒で服用しない。結果、改善されない。でも服用していないことを伝えていないと、医者は薬は飲んでいるはずなのに改善されないため困惑してしまう。
これじゃお互いに良いことありませんよね。

トレーナー云々ではなくトレーニングを継続するためにはその方法を信じられなければいけない。
ドッグトレーナーに依頼する場合
トレーニングの方法を信頼する=トレーナーを信頼する。
ということになると思う。

DSC01881.JPG

さてこれだけ記事を書くと自分自身はどうなんだ!って思ってしまうな。
自分のことを信頼して継続して下さった方、自分の力が足らず残念ながら信頼を得られなかった方、様々あります。
犬を変えられるのは飼い主だけだから、トレーナーはその飼い主さんとの信頼を築くことが結果に繋ぐただ一つの術です。そのためにも頑張らないと!
自分自身の戒めのための記事でした。

posted by 安田和弘 at 21:50| Comment(2) | ドッグトレーニング

2012年09月13日

擬人化というもの

お店のエリアも理由になるけど、トレーニングの依頼の8割以上は室内飼いによる相談です。
内外両方の飼い方を経験された方ならより実感できると思いますが、その違いは非常に大きい。
やっぱり室内に犬がいると人との心の距離感はとても近く感じますね。それがときに悪い方向へと働いてしまうことがあります。擬人化といわれるものです。

DSC01998.JPG

この擬人化という言葉、トレーニングの世界では悪い意味に捕らわれがちですが、アレクサンドラホロヴィッツ著「犬から見た世界」での解釈が面白い。
人間は動物を擬人化する力があったからこそ自然界で生き残ってこれた。肉食動物に出会ったときも自分がこの動物だったらなにを考えているだろうかと想像することで危険を回避してきた。
人間と違う動物と共に暮らすことができたのも相手の気持ちを自分の気持ちに置き換えて考える擬人化のおかげだという。なるほど、たしかに。

犬と共に暮らすためには犬という動物の性質を「理解」し、気持ちを「共感」していくことが大切なんだと思う。この共感の一部分に擬人化があってもきっと大きな勘違いにはならないでしょう。
名前を呼んで全速力で飼い主の胸に飛びついている犬を見て楽しそうと感じる。
雷雨の日にガクガクと震えている犬を見て悲しそうに感じる。
それは間違いなく必要な感性。

でも暮らしの中でなにかの問題が出てきたときは共感しようとする前に犬という動物の性質を理解することを忘れちゃいけない。なぜなら多くの問題行動が人の誤解によって作られてしまうのだから。

自分だってたくさんの犬達と関わって、いつも行動が理解できるわけじゃありません。なんで??なんじゃこりゃ!?なんて思うときも結構ある。推測はできても確信が持てないって感じですね。
まして自分が家族として暮らしているわけじゃないから、その犬の飼い主さんに細かに状況を確認して、飼い主さんが犬と接するときの様子を見たりしながらイメージを作っていかないといけません。
でも理解する努力は惜みたくない。日々の出会いが勉強です。
人と犬、お互いの異文化を理解して、相手に伝わるように表現する。気分はまるで通訳者のよう。


焦らずとも年月が経つにつれて感じ取れるものがあります。大事なのは決め付けないこと。

eru.JPG

今横で見つめているのは人間と違う未知なる生物。ひょっとしたら一筋縄ではいかないかも。
でも、きっと分かり合える。
犬との暮らしってやっぱり面白い!!


posted by 安田和弘 at 20:40| Comment(6) | ドッグトレーニング

2012年07月23日

犬に好かれる人になる 後編

こちらに不信感を抱いてしまっている犬と仲良くなる方法、今回はその後編です。

近づくことはできたとしても撫でられる、触られるというのはまた一つ大きな壁になる子が多い。
これは人間同士だって一緒ですよね、いきなり知らない相手が近づいてきたり、体を触ろうとしたら普通警戒するものです。そこでまずパーソナルスペースというものを理解しておきたい。

相手との心理的な距離感をパーソナルスペースといいます。
お互いの関係によってこの距離感は大きく異なる。友人、親族、恋人と親しい間柄ほどパーソナルスペースは小さくなります。

DSC01415.JPG

ベンチに腰をかけていて誰かが同じベンチに座ってきたとき、なんとなく嫌な感覚を感じたとすれば、それは自分のパーソナルスペースが相手に侵害されているということになります。

このパーソナルスペースは犬が相手でも同様です。大抵の犬好きの場合は犬が近寄ってきても不快と感じることはないので、問題となるのは犬のほう。
犬のパーソナルスペースをどれだけ縮めることができるかが犬と仲良くなれるかの重要なポイントです。

前回のブログに書いたこちらの心身の姿勢と共に、オヤツなど、その犬が好きなものを使うことでパーソナルスペースを縮めるキッカケになることは多い。ただ一、二粒食べただけで距離が縮められるとは限りません。恐がりが強い子ほどあげる機会はかなりの回数が必要になるでしょう。手から直接あげることが難しければ床にオヤツを投げ置くこともあります。なんでもやり方を決め付けず臨機応変に。
食べ物を使う良さは誰があげても美味しいものは美味しいということ(実際は多少変わりますが)
触られる、抱かれるというのは飼い主にされるのは嬉しくても他人にされても好印象とは限りません。

それと犬と仲良くなる大きな秘訣は最後の印象です。せっかく慣れてきたのに最後の最後で嫌な思いをさせてしまうのはよくない。これも大抵は無理に触ろうとしてしまってなることが多い。最後の印象はこの人に会えて良かったと思われて終わりにしたいものです。そうした方がきっと次回会ったときにまた一つ仲良くなることができるでしょう。焦らず相手の変化を見守ってあげて下さい。

DSC01362.JPG

最後に動物の習性を一つ。動物が危険と感じたものに出会ったとき、とる行動は3つしかないといわれています。
それは「逃げるか、固まるか、攻撃するか」です。

もし恐がりな犬が散歩中に誰かに出会ったとき、その相手が急に近づいて触ろうとしたとします。
最初は逃げようとするかもしれません。でもリードが付いている分一定の距離から離れられない。
次に固まる。でもそれでも相手は気にせず近づいてきます。
そうなるともうこの犬は第三の選択肢を選ばなければいけなくなる。

そもそも恐がりに育てないようにするためにはパピーの頃の社会化が重要なのだけれど、せっかく他人と触れ合う経験があったとしてもそれが悪影響になっては意味がない。
人間って良い奴ばかりだなって犬達に思ってもらえるように、接する私たちは気をつけてあげたいですね。

posted by 安田和弘 at 12:15| Comment(2) | ドッグトレーニング

2012年07月14日

犬に好かれる人になる 前編

ここ最近の湿気はたまらん!犬も人も不快指数が上がりっぱなしです。
慣れの問題もあるのだろうけど、過ぎ去るものと分かっていると梅雨明けという言葉が待ち遠しくなります。


トレーナーという仕事をしていると他人に不慣れな犬と接する機会はとても多いもの。
そんな犬に出会ったとき、こちらはあの手この手で少しでも早く打ち解けられるように努めます。不慣れや恐がりが理由で起こりうる問題行動は数知れず・・・。
だからできるだけ誰にでも友好的な犬に育てたいと大半の飼い主は思うはず。

恐がりだからこそ他人に慣らす機会は増やしたいところ。
今回はそんなときの接し方のコツについてのお話。飼い主はもちろん、自分の犬じゃないけれど仲良くなりたい犬がいるという方にも、なにか参考になると良いのですが。珍しく二部構成でいきます。


まず最もお伝えしたいこと。
犬と仲良くなりたいなら、決して自分から犬に近づかない

これがすご〜く大事!これを気をつけているかどうかで結果が大きく変わっていきます。
もし他人が大好きで触ってほしいと思う子なら人がしゃがんだ時点で近くへ寄ってくるでしょう。
触ってほしくない子ならこちらがしゃがんでも寄ってこない。
どちらにしてもこちらから触りにいく必要はありません。

その場から動かなくても、手を伸ばして名前を呼んでいれば、動物からすれば
「相手はこちらになにかしようとしているな?!」って感じてしまうかもしれません。
つまり近づかないというのは犬からすれば「近づいてこない」と感じれるかということです。

実際どんな姿勢が望ましいのでしょう?ご存知の方も多いかもしれませんが犬にはカーミングシグナルと呼ばれるボディランゲージがある。
それは相手に自分が敵意を持っていないことを伝えるジェスチャーのようなもの。現在27個のシグナルがあると言われていて、犬同士だけでなく人と犬の間でも用いることができます。その中には相手から目線を逸らす、体を横に向ける、背中を相手に見せるなどといったシグナルがあります。
これらも考慮すれば相手に対して近づかず、直視せず、姿勢は相手から少しズラす、こんな感じになります。

DSC01313.JPG
(ちょっと写真に撮ると伝わりにくい・・・)

また近づかないというのは動作ではなく気持ちの面でも言えます。
恐がっている相手に伝えたいことは「私はあなたに敵意はないよ」ということ。
なのに「あの子に触りたいな」という思いが先行しているのは気持ちが近づきすぎ。
相手が心を開くまで心も体も待ってあげるってことが大切ですね。


DSC01295.JPG

Howtoは好きじゃない。犬も人間も十人十色、やり方もいろいろです。恐がりの犬でも普通に人から近づいて手をのばして慣れる子だってたくさんいるでしょう。でも、

「犬は誰にでも触られるのが好き」
「私が犬好きだから大丈夫」
「手の臭いを嗅いだら触っても良い」

これらはどれも間違っているわけではないけれど犬によっては常識ではない。
犬に好かれる人がもっと増えるように、その子に合わせた歩み寄り方を見つけてほしいと思います。


後編はもう少し具体的な点について書きたいと思います。


posted by 安田和弘 at 13:03| Comment(2) | ドッグトレーニング

2012年06月10日

不便と思うかもしれないけれど

DSC01144.JPG

新しい技術や方法を見つける人は本当にすごい。最近じゃ当たり前のように使われているWi-Fi。自宅では一つのルーターでパソコンやスマートフォン、TVまでもが気軽にインターネットを使うことができる。ちょっと前には考えられなかったことです。
新しいことを見つける人っていうのはきっといつも現状に満足できず常に変化を求める人達なんだろうな。

DSC01136.JPG

ドッグトレーニングの世界はどうだろう。
ネット上を探してみれば、「この道具を使えば誰でも簡単に〜」「たったこれだけの期間であなたの犬がおりこうに〜」
なんて革新的なものが溢れてる。
トレーニングって本当に根気がいるし、時間がかかる。内容によっては地味で味気なく感じてしまう方もいるかもしれない。なんとも不便。それがもし魔法のように犬が変わる術があるとすれば、それを望む人がいても不思議じゃありません。

でももし人間の子供だったら。その子供がある施設に行って帰ってきただけで、ものすごい利口になっていたり。なにかを取り付けたら一瞬にして聞き分けの良い子になる・・・。う〜ん、想像するとちょっと怪しく感じてしまう。
別に犬を擬人化するつもりはないけれど、人も犬も、便利や即効性ばかり求めるのは良い教育だとは思えない。

ドッグトレーナーに頼めば魔法のように一瞬で犬が良くなる、そんな風に思われることがあります。
そんな都合の良い話、なんて思う方もいると思いますが、実際半分は当たっている。
家族以外の人間が正しいハンドリングで犬を扱えば確かに犬の行動はあっという間に変わっていきます。
「私のときとは全然様子が違う、やっぱり私が犬に舐められているから?!」
と悲観する飼い主さん。そう思う前に待って頂きたい。これにはカラクリがあります。

動物とは環境や状況で学習するもの。
例えば引っ張り癖のある犬を他人がトレーニングした場合、その引っ張り癖にはすぐ変化が現れやすい。なぜなら、これまでその人がリードを持っているときに引っ張った経験がないから。この人がリードを持っているときは引っ張れないなぁとか、この人の側から離れないほうが良いことがあるなぁ、という学習も早くされます。
一方飼い主さんは日々その犬と接している分だけ既にもろもろ犬は学習してしまっている。いきなり方法を変えたとしても他人がやるほどすぐに変化が表れにくいもの。

これは場所においても同じことが言えます。トレーニング施設でのみ練習を重ねていても、普段暮らしている環境でそれがそのまま生かされるかどうかは難しい。

どんな方法だろうと、どんな道具を使おうと、大事なのは飼い主自身が目標を持って続けること。
そして犬の変化を点ではなく線で見てあげること。そうやって焦らず犬の変化を感じていってほしい。

ただ焦らず根気良く続けている方法がその犬に合っていなければ元も子もない。
その判断が難しく先が見えないと続けるモチベーションが保てなくなってしまう。
そういうときこそ自分達のような行動を客観評価できる存在を頼っていただきたいなと思う。

教育に近道はないのかも。でもそんな不便さが結果に繋がったときの大きな喜びになり、犬との絆となると信じたい。

posted by 安田和弘 at 20:05| Comment(0) | ドッグトレーニング

2012年04月16日

犬の自由

犬と広い公園に行って、自由気ままにのんびり歩く。
大好きな臭い嗅ぎも存分に、落ちている枝を咥えてかじる。とっても穏やかな気持ちの良い時間。
犬の欲求を満たすことって暮らしの中でとても大切なことだと思います。

さてさて今回は久しぶり?に真面目な話でも。ちょっと犬の自由について考えてみたい。

犬に完全な自由を与えられる飼い主はいない(少なくても名古屋市内には?!)と思う。自由の定義は人によって違うかもしれませんね。自分が思う自由とは行動を制限される刺激がなく、自身が行動を選択できる状況だと考えます。
室内で放し飼いにしていたとしても、その家から勝手に出るという行動は制限されているし、お散歩中に長〜いリードを付けて歩いていたとしても、ある距離以上は離れられないという不自由さがあります。

自由はできるだけ多い方が良い、きっと自由が多い犬ほど生活の質は高いように思う。
ただそれぞれの家庭によって自由の形は大きく異なってくる。その自由の制限を知らない、不自由に慣れていない犬というのがストレスを抱えたり人間にとっては困るような問題行動を持つ。
また周囲の人達に迷惑となることがあってはならない。めいっぱいの自由を犬に与えてあげようと公共の場で犬を離すという行為はちょっと自分本位すぎる。


外は土砂降りの雨、散歩へ行きたいから玄関の前でソワソワしている。
人が大好きだけど散歩中に会う通行人はかまってくれない、それでも引っ張って行こうとする。
食べることが大好きで人が食事していても、とにかく食べ物を欲しがる犬。

などなど、犬の思い通りにしてあげられない事は日常にたくさんありますね。欲求をどう方向転換させて人間にとって都合の良い行動に替えていくか。
それぞれの家庭や環境にある犬という動物のあり方、与えられる自由の大きさを犬に理解、納得させていくことがトレーニングの大事な目的なのでしょう。

生活の中にあるレベルの不自由は、それをストレスと感じないように暮らしてほしいものです。
そう犬にも譲歩してもらうのだから、人間はその努力を惜しまないようにしないと。

DSC00855.JPG

posted by 安田和弘 at 07:00| Comment(0) | ドッグトレーニング

2012年02月27日

行動と性格

犬の様々な行動を目にしたとき、それが経験による学習によって覚えた行動なのか、先天的な性質や性格によるものなのか、それを判断することは非常に重要です。どれもが重なり合っている行動も多いでしょう。

ちょっと想像してみて下さい。とにかく元気でケージから出すと何時間でも走り回って、部屋中の家具をかじったりゴミ箱を漁ったりとイタズラばかりしている仔犬・・・。

多くの方がまだ仔犬、パピーなのだから元気なのは仕方がないだろうと考えると思います。(当の飼い主はそうも言ってはいられないと思いますが・・・)
だからといって全てのパピー達がみんなパワフルで物をかじるのが好きなわけではありません。同じパピーでも最初からおとなしい子も大勢います。
これが性格による違い。
元気で活動的なパピーも、その多くは成長に伴って活動量は減っていきます。特にトレーニングなどを意識しなくても、この仔犬は数年後、何時間も走り回っていた頃が懐かしく感じるほど、落ち着いて過ごす時間は増えるのかもしれません。

しかし家具をかじることやゴミ箱を漁るという「行動」はどうでしょうか。
ゴミ箱を物色することで美味しい食べ物を見つけられると学習していたとすれば、それは成長と共に無くなっていくとは考えにくい。何歳になってもゴミ箱を漁ることが楽しいという結果が続く限り、生涯その犬はゴミ箱漁りを日課のように続けるかも。
まぁそもそもゴミ箱漁りを始めるキッカケ自体は行動的とか活発とかの性格によるものからかもしれませんけど。

ヤンチャな犬も○歳ぐらいになったら落ち着くよ〜!なんてアドバイスをよく聞きます。
それを鵜呑みにする前にちょっと考えてみて下さい。そのヤンチャで困っている問題は性格によるもの?それとも学習をした行動でしょうか?
それによって放っておいても良いものなのどうかも変わってくると思います。


行動とは日々変化していくもの。性格は個性。
陽気で活発な犬を飼っていて、それをトレーニングでおとなしい子にしたいという考えはちょっと違う気がする。
ゴミ箱を漁るとか、家具をかじるなどの行動は変えられると思いますが、その犬の個性自体はどうか潰さないでほしいな。

DSC00601.JPG

posted by 安田和弘 at 19:55| Comment(0) | ドッグトレーニング

2012年02月17日

なにを感じて褒めるか

DSC00491.JPG

クリッカーはinthedogでおなじみのトレーニングツール。
作りは至ってシンプルで、押すとカチッと音がなる手の平サイズの大きさのものです。これだけでは犬にとってはなんの意味もありません。
このカチッという音の直後にオヤツなどを与える事を繰り返しおこなうと、犬はカチッという音=オヤツが貰える合図という意味を理解していきます。

動物の学習はタイミングが重要です。これは人間も同じですが、人間の場合はそもそも言語を使うことができるので「さっきのアレのことなんだけど…」というように過去の出来事も伝えることができます。犬の場合は言語コミュニケーションには頼らない動物なので、行動の直後に対応しないと、何について褒めたり、叱ったりされているのか理解できません。なのでクリッカーを使って褒めたい行動のその瞬間を音で伝えようというわけです。

かなりザクっと説明してしまいましたが、このタイミングというのは本当に奥深い。
いくら一生懸命褒めていてもタイミングがズレていたら犬の気持ちは見当違いな事で褒められていると思い込んでいるかも。

先日、オヤツとクリッカーを使った内容で散歩トレーニングをしていたときのこと。どういったタイミングでクリッカーを鳴らすのかアドバイスをしながら飼い主さんと歩いていました。
犬がこんな仕草をしたらとか、呼んで飼い主さんの近くへ来たらとか、具体的に見て分かるようなタイミングで鳴らすように説明はするのだけれど、実際はどうなんだろう。

自分がクリッカーを使うときって、犬の行動をず〜っと見張っていて、褒めたい仕草をしたらすかさずクリッカーを鳴らす!という感覚とはちょっと違う気がします。自分はそれだけで上手に褒めれるほど反射神経は良くありません。
感覚としては行動を見るというよりも、犬の気持ちを推測して、感情を読み取って褒めるタイミングを見つけている感じです。自分の場合。これはクリッカーだけでなくトレーニング全般においてですが。
犬の気持ちを読み取って対応する。ちょっと擬人化と紙一重ですが、あくまで犬という動物の気持ちです。

犬の学習理論について書かれた本、エクセレレーティッドラーニングの一文がとても印象的です。
「目にしているのは行動であって、学習については推測しているにすぎないということを忘れないでほしい。」
動物の行動を見て勝手に人間的な解釈をするのはたしかに良くない。けれど、機械的に行動だけ見ていても駄目だと思う。

できるだけ犬の立場になって、推測する努力を怠ってはいけませんね。

DSC00477.JPG


posted by 安田和弘 at 19:54| Comment(0) | ドッグトレーニング

2012年02月01日

犬が咬むということ

寒い日が続いています。インフルエンザは自分の周りでも大流行。小学校が学級閉鎖になってしまった子もいます。ウイルスの感染は湿度の影響を受けやすいとか。高温多湿の場所ではウイルスの感染力は大きく下がるそう。できるだけ部屋を暖かくして湿度を上げる工夫をしなければいけませんね。
皆様もどうかお気をつけ下さい。


ブログではあまり触れてこなかった犬の咬み癖について。ちょっと思いを綴ろうと思います。ここで言う咬み癖とは甘噛みやジャレ噛みではなく攻撃的な咬み、本気咬みについて。他犬に対してのケースも多くありますが今回は犬と人間の間で起こる問題について考えていきます。

トレーナーの仕事をしていて最も大きな問題として捉えている犬の攻撃性。
自分自身、問題犬の教室などを開催させて頂く機会などもあり、攻撃性の相談を受ける機会は多い方ではないかと思います。犬の咬み癖に関して、現状この問題に悩んでいる方だけでなく多くの方に知ってほしいことがあります。ちょっと長文になりますがどうかお付き合い下さいませ。

まず何故咬み癖がつくのか。
大半のケースの咬み癖は、別に犬の頭が変になってしまったなどではなく、学習行動です。極端な話、オヤツを欲しいときにオスワリする事と変わりありません。咬むこともオスワリすることも同じ行動です。
行動が癖になる、繰り返すというのは、行動をした見返りが自身にあったときです。オスワリをしたらオヤツが貰えることを理解した犬は頼んでもいないのにまた繰り返しオスワリしたりしますよね。

咬むという行動を犬が覚えるパターンとして、
@咬んだことにより自分にとって大切なものを得ることができたき
例:食事中に飼い主が食器に近づいたときフードを取られたくないと思って咬む。
A自分にとって不快となっているものを退けることができたとき
例:苦手なブラッシングをされているときに咬んだらブラシを止めてもらえた。

大きく分けるとこの2つになります。ただ実際は攻撃性は自分達の分野で10種類近くに分類されており、動機も様々で簡単には考えられませんが。

また咬み癖を別の分け方で考えれば、家庭内つまり家族に対しての行動か、散歩中や来客のときなどの他人に対しての行動か、これによっても大きく理由は異なるでしょう。


咬み癖を持った犬との暮らしは本当に大変です。
それは大型犬だろうが小型犬だろうが関係ないと思う。もちろん実際の怪我の度合いは違うけど、飼い主が本当に傷つくのは心の痛みなんだと思う。
家族として共に暮らす動物に歯を向けられることは本当に悲しい。
よく甘やかしたからこうなったんだと思う方もいるかもしれないけど、それだけでは考えてはいけない。
それぞれの個性を持った犬という動物を家族として向かえたとき、その犬にとって正しい接し方をしてあげられるかどうかが将来の分かれ道なんだろうな。

ただこれだけはどうか信じてほしい。
犬は相手を傷つけようと思ったり、家族のだれかを憎んで咬む訳じゃない。これだけは確信しています。
犬を擬人化し人間の道徳心を押し付けて考えしまうと犬はただの犯罪者になってしまいます。
だからちゃんと犬の視点で行動の理由を見つけなければいけません。

ある人が犬は包丁を持って歩いている子供と一緒だとお話してくれました。
大人は包丁の正しい使い方を教えてあげなければいけません。ただ犬にとっての包丁は牙であり、これは台所の下に閉まっておくことはできません。体の一部として常に持ち続けています。
どれだけ咬まないことを覚えた犬でも、一生咬まないなんて保障はない。自分の飼っているビーだって同じです。これから先もずっと人を傷つけることがないように、いつも心のどこかで気をつけながら暮らしています。

犬と暮らしたことがない方からすれば飼い犬が飼い主を咬むなんて信じられないかもしれませんが、人間と異なる獣と生活しているのだから起こっても不思議なことではありません。
犬社会からすれば咬むことって自然な行為でしょうし。
大半の人は犬を初めて飼うと、こんなに犬と暮らすことが大変だとは思わなかったと言う。それだけ犬との暮らしは苦労なく簡単なものだと思われているということでしょう。
そういう常識が浸透してしまっていることは自分含め動物取扱業者にも責任があります。

問題行動に悩んで泣く泣く犬を手放してしまうことが無くなるように。もっと犬という動物のことが広く理解されていくことを願っています。犬との暮らしは本当に楽しいものなのだから。


gol.jpg

この記事を4年前の今日に亡くなった名も無きゴールデンに捧げます。

posted by 安田和弘 at 00:00| Comment(0) | ドッグトレーニング

2012年01月26日

期末試験を終えて

講師として通っているトレーナーの専門学校で期末試験をおこないました。
飼い主様に伝えるのと学生に教えることは大きく違うなと昨年痛感。
今年は自分の立場から教えたいこと、伝えたいことを考えて授業をしてきました。その成果を見れるのが試験ですね。
どの程度生徒が理解してくれているのか、確認できるのは嬉しいことです。まぁ生徒からしたらたまったもんじゃないでしょうけれど。

擬人化しないで犬を見てほしい、これは授業の中で一つのテーマでした。
また間違った情報に惑わされないよう、正しいことを伝えられるようになってほしいという願いもありました。


散歩中の犬に会ったとき、触りに行こうと近づいて吠えられてしまう方がいらっしゃいます。
そんなとき決まって聞かれること
あの犬はなんでしっぽを振っていたのになんで吠えかかってきたの?
間違って広がってしまった定説。

「尻尾を振っているのは喜んでいる証拠」

この情報が広がっているのは非常にマズい。
犬の尻尾(しっぽ)というのは感情の度合いを表しています。嬉しくて喜ぶときも尻尾は振りますが、怖い人に出会って恐怖に立ち向かおうと自分を奮い立たせるときも尾を激しく振ります。
情報に惑わされてしまう良い例の一つではないでしょうか。
尻尾はあくまで感情を読み取る目安の一つです。それ以外にも目の動き、耳の動き、口の開き方や形、重心の掛かり方なども感情を読み取るときは助けになりますね。これらを合わせ見て感情を読み取ったりします。
でも、そもそも感情って単純じゃないと思う。笑っている人間が皆幸せとは限らないように、犬の感情を理解するためにはもっと広い視野で考えなければいけません。


それ以外にも社会化の大切さや、正しい犬の触り方など、トレーナーという職業に就かなかったとしても動物業界に入る限りは知っておいてほしいことは本当にたくさんあります。
犬という動物がもっと社会で認められていくためには、正しい情報が伝わることが大切。
学校で学んだ生徒達が将来そうなってくれることを願っています。

DSC00390.JPG

いかにも触ってほしそうな期待に満ちた顔!
posted by 安田和弘 at 19:49| Comment(0) | ドッグトレーニング

2011年12月20日

犬に話すこと

今月、数年ぶりに風邪を引きました。今年流行っているという「のど風邪」でした。
おかげさまで今ではしっかり治り元気に働いています。トレーニングのスケジュールを変更させて頂いた皆様、本当にご迷惑おかけしました。

ドッグトレーナーとは喋るのが仕事であり、お話できなくては仕事になりません。
でもそれだけじゃない。声というのは犬とのコミュニケーションにおいても重要な役割があります。
今回はそんな声によるコミュニケーションについて・・・

犬同士は言語によるコミュニケーションはしません。それは相手が人間でも同じ。日本語だろうが英語だろうが人間の言葉は基本的には分かっていないはずです。
でも犬と長く生活していると徐々に色々な言葉の意味を理解していきますよね。
「ご飯食べよっか!」
「今日は病院に行かなきゃ行けないよ〜」
「そろそろ寝ようか?」

なんていつも話しかけていると犬はどんどん言葉を理解していきます。

でも、まぁここからは随分夢のない話ですが…
お散歩いこうか♪と話しかけて犬が喜ぶのは、その言葉の後に外に出られるという前後関係を学習したか、飼い主が着替えたりリードを持つ動作で出かけられると理解していることが多い。ようは日本語の本来の意味は理解していないだろうということです。

思うに犬と言葉でコミュニケーションを取るとき重要になってくるのは言語の内容ではなく音域、音の高さ低さでしょう。
一般的に犬は高い声によって気持ちが高揚し、低い声によって気持ちが下がります。
その違いはパピー期の頃のほうがより分かりやすいですが、成犬になってからも同様です。

ど〜んと低い声で「おいで〜」と言われても犬からしたらどうも行きづらい、高い声で呼ばれたほうがすんなり近寄れるでしょう。犬同士でも相手が低いうなり声を出せば、聞いたほうが距離を取ろうとするのと一緒です。逆にクゥーンと甘え声を出されれば近寄りたくなりますね。

なにか行動を止めさせたいとき、例えば飼い主の手に甘噛みをする犬に甲高い声で「やめてーー!」なんて反応をしてしまえば、犬の興奮度はもっと上がって甘噛みにも磨きがかかってしまうかも。

上記の二つの話のように言ってることとやってることが違うと、犬からすれば混乱を招いてしまう結果に繋がります。目的に応じて声のトーンを工夫してみて下さい。

犬相手には恥ずかしい気持ちがあっても駄目ですね。外でも犬を呼ぶときは楽しそうな高めの声で呼んであげるべきです。そしてちゃんと来れたら派手に褒めてあげることも忘れずに。
そうやって考えると外人さんは褒め上手、叱り上手な方が多いですね。思わず振り向いてしまうぐらいに高揚感を感じる褒め方をしている方をお店の近くでも見かけます。

でも自分が今回のど風邪を引いて低い小さな声しか出なかったとき、ビーだけじゃない多くの犬が自分の言うことを聞いてくれました。いずれも今まで何度もトレーニングをしてきた子達です。それはまるで一生懸命こちらの声を聞こうとしてくれているような。
今回の風邪は声のコミュニケーションの大切さを思い出させてくれるだけでなく、
小手先の技術じゃないもっと深い所で犬との絆が築かれていくことを改めて実感できました。

さーて、今日も自分は犬の笑顔が見たいから、でら楽しそうな声で犬達に話しかけたいと思います!
夜はますます寒くなってきました。皆様もこれから年の瀬で忙しくなると思いますが、どうか風邪など引かれませんように!

DSC00227.JPG

posted by 安田和弘 at 19:38| Comment(2) | ドッグトレーニング

2011年12月01日

思い込み注意

秋もトレーナーの卵を育てる専門学校へ行っています。
そこで授業中、生徒が他の生徒に対して、「○○さんって中二病みたい」ってしゃべっていた。前からたまに聞いたことがあったけど意味はよく知らない。気になったので調べてみると、思春期の子供にありがちな現実離れした思い込みを抱く人のことを言う、ネットの世界で作られた造語らしいです(実際なんだか調べてもよく分かりませんでしたが…)。生徒によると、この言葉を使うときは、大きな勘違いをしている人、思い込みが激しいような人のことに対して言い、あまり良い意味では言わないそうな。

そんな中二病とは違いますが、思い込みって、犬の世界でも問題になるときがあります。

人間以外の動物は言語によるコミュニケーションはしない。もちろん家族として暮らすようになった犬という動物も。そこで人間は犬の行動をよ〜く観察して、今この犬はどういった事を考えているのか、なにをしたいのかを推測し、判断します。それは動物行動学者はもちろん、トレーナー、犬と暮らす飼い主さんも一緒です。
その犬の気持ちを翻訳するときに擬人化というフィルターが強くかかると・・・犬本来の気持ちとズレてしまうことがあります。しかしそれに気づかないと人は犬の気持ちを思い込み、間違った判断をしてしまう。

知っている人は多い有名な例え話ですが、

飼い主が留守番から帰ってくると部屋中にイタズラの痕跡がありました。カーテンはボロボロに、机の上に置いてあったノートはビリビリに破け、ゴミ箱はひっくり返っています。犬は机の下でうずくまり、こちらを見ながら震えています。
どうやらイタズラしたことに「反省」しているよう。でもイタズラは今日が初めてではなく今まで何度もされています。なんで「反省」しているのにイタズラを止めないの!!


この犬は本当に反省しているのでしょうか?反省はしているのにまた問題を繰り返すとしたら、この犬はかなり性悪ということになってしまいます。

イタズラをしていたのは留守番中のことで、もう過ぎたこと。イタズラとは関係なく、怖い顔をしている飼い主には怒られる事を学んで、怖くて震えながら隠れている。イタズラは相変わらず楽しいからまたやりたい。
過ぎたことを言っても犬には伝わっていない。自分はこんな風に推測します。


人間と犬とは違う動物なんだから、無理に人の思考を押し付けずに犬という動物のことを知ってあげたいですね。ただトレーナーだって、学者だって、あくまで色々と勉強して動物の気持ちを推測しているに過ぎません。
結局、これが絶対に正しいなんてのは誰にも分からない。
間違った思い込みをして犬に中二病と言われないように、自分も含め人はもっと犬の勉強をしなければいけませんね。


posted by 安田和弘 at 19:54| Comment(2) | ドッグトレーニング

2011年11月08日

犬と一緒に寝るという事について真面目に考えてみる

11月に入り、日に日に気温が下がってきてきました。人肌恋しいこれからの寒さは、温もりを求めて人と一緒に寝ようとする犬も多いと思います。
動物と一緒に寝るかどうか、一度は悩んだことある人って多いんじゃないでしょうか。一緒に寝るのは良くないって話はよく言われています。実際のところどうなのか?ちょっと真剣に考えてみます。
自分も仕事柄か、結構悩んだ時期はありました。(まだたまに悩む事があります。)ちなみに我が家は寝るときも犬はフリーで過ごしていますが、人が寝ているベッドには上がって来ず、犬用のベッドか扉の空いたクレートの中に入ったりして寝ています。


一般的に人と同じ布団で犬を寝かせてはいけないとされる理由ですが、
@人畜共通感染症のリスク
A犬との関係に問題が出る。上下関係の考え方においては、一緒に寝ることで犬が上位になる。

大きく分けてこの2つでしょう。@に関しては、そもそも犬と一緒に生活している時点で既に感染症のリスクは少なからずあると思います。リスクはあっても一緒に暮らしたいという気持ちは止まらない。その分色々と知っておいた方が良い知識はたくさんあります。一緒に寝るのであれば念頭に置いておいても良いでしょう。

今回の本題、Aに関して。上下関係については、そういった視点でトレーニングを考えるかどうかにもよりますが、単に人と一緒の場所で寝たからといって、それだけで犬との関係が崩れるとは正直思っていません。
ただ、一緒に寝ることになった経緯は重要だと考えています。
例えば…パピーの頃にケージなどで寝かそうと思っていたけれど、夜鳴きがうるさくなってやむを得ず一緒に寝ることになった…、といった流れは犬の要求を飲んでしまった事になり、トレーニングの考えにおいては避けたい所です。
それに比べ、別にケージやクレートでも静かに寝れるけど、私が犬と一緒に寝たいから夜は一緒に寝ています!と言われれば全く文句はありません。

またあくまで人の居場所に犬がいるという立場を忘れさせないためにも、いつでもベッドから犬を降ろすことができるか、たまに確認しておくことも大切ですね。現在問題がなくても確認することは問題行動の予防に繋がります。

後考えなければいけないのは犬のストレスについて。
留守番をさせる家庭、特に仕事などで長時間させなければいけない家庭の場合。日中は一人で留守番をしていて、夜は寝るときも飼い主とベッタリ。留守番が長かった分、夜はできるだけ一緒にいてあげたい。そんな気持ちになる人もいるでしょう(自分含めて!)。ただ飼い主の不在、在宅時のギャップが大きすぎることがストレスに繋がる原因になってしまう場合があります。
留守番があったり、離れるときもあるから、日ごろから適度な距離感を作り、それに慣らしておくことが結果的に犬のためになることもあるのではないか。そんな風に思う。その距離感というのが時に一緒に寝ないという考えに繋がるのかもしれません。

色々なデメリットも考慮した上で、人にも犬にとっても問題がないのであれば一緒に寝るのは全然アリでしょう。

ビーは実は以前はベッドで一緒に寝ていました。でもいつからかベッドに全く上がって来なくなった。ひょっとして自分の寝相が悪いからか?!
さてさて皆さんは犬と一緒に寝る派?寝ない派?まだ悩んでいる方はご参考までに。

PA0_0001sleep.jpg

posted by 安田和弘 at 20:15| Comment(3) | ドッグトレーニング

2011年09月26日

秋とパピー

エアコンともようやくおさらば!台風が過ぎ去ってからは秋を感じる涼しさになってきました。
これからは動物にとって過ごしやすい季節になりますね。犬とも時間を気にせずのんびり散歩ができます。

気温が下がってきたここ最近、パピートレーニングをしていて現在の月齢が7ヶ月前後のパピーが窓に向かって吠えるようになったという相談をよく聞くようになりました。これはあくまで推測ですが、思うに犬の社会化期(生後4ヶ月頃までの時期のことで、犬の一生の中で最も色々な刺激に慣れやすい)に窓を閉め切ってエアコンをつけていた場合、窓から聞こえる物音に慣れる機会が少なくなる。この季節になって、窓を開けている時間が増えたときに、外から聞こえる音に対しての経験不足によって過剰に反応してしまっているのではないかと考えています。その犬の性格やこれまでの経験によって違ってくるので全ての犬がそうだとは思わないけれど。

犬に会えば会うほど社会化の重要性を強く感じるようになります。だいぶ浸透してきていることだけど、まだまだ言葉を知っているだけで具体的に実践できている人が少ないとも思う。
もちろん成犬になってからの社会化だって可能だとは思うけれど、やっぱり性格形成をしていくパピーの時期は特別なものです。


でもなかなか完璧な社会化を犬にしてあげられることは難しい。例えば犬同士で触れ合う経験だってどれだけ同じ場所で色々な犬に出会っても自分は不十分だと思います。犬はその場所で学習しているのであって、他所の場所で犬に会ったときに同じように友好的に接するとは限らない。実際にお店でもパピーの社会化をしていたときに、この場所で会う犬とは仲良くできるけど他の場所で犬に会ったら上手く挨拶できなかったというケースはあります。なので教室に通っていたとしても日常で飼い主がどれだけ意識できるかが重要。

社会化トレーニングは絶対に意識してやった方が良い。完璧じゃなくてもパピーには出来る限り色々な経験を積ませてあげてほしい。その時の努力は無駄にならないと思います。あっ!でもその犬に無理のない範囲で!一気に色々な経験を積ませようとすれば逆効果になりかねません。

慌てず急がず、でも日々ちょっとずつでも変化のある経験を犬に与えていってほしいと思います。

DSC00091.JPG


posted by 安田和弘 at 12:29| Comment(0) | ドッグトレーニング

2011年09月18日

犬を手玉にとる?

animoでマナーハンドラーテストがありました。
試験って本当に独特な空気を感じます。

普段通りに挑めば大丈夫、とは言ったものの犬は本当にハンドラーの僅かな緊張や状態の変化を感じ取ってしまいます。どうやって犬の気持ちをコントロールするか、動物相手の面白いところですね。

訓練所で働いていた時に犬に迎合するなと怒られたことを思い出します。それは犬になにかをさせたい又は行動を止めたい時に、心の中で犬にお願いしてしまう姿勢の事だと思っています。
頼むからもう泣き止んで!今、頼むから引っ張らないで!といった相手に懇願する接し方は犬にとって良い印象を与えない。やはり飼い主は自分の犬に対してのトレーナーでなければいけないと思います。

別に犬に厳しく接するという事ではなくて、どうやって行動をさせたり行動を止めたりしようかと考えながら接する、人が犬をマネージメントしているような感覚。そういったことがトレーニングの一つのコツのような気がします。

でもまぁそれがなかなか難しい。パピーを飼い始めた時などは特に!もう頼むからイタズラしないで!なんて気持ちになってしまいます。自分の犬にだってそんな時期はありました。そんな状況でどうやって犬を手玉にとっていくか、まさに犬との心理合戦です。

P1020196.JPG

歩行のトレーニングもどうやって自分のスピードに合わせて歩かせるか、犬との知恵比べ!
posted by 安田和弘 at 16:05| Comment(0) | ドッグトレーニング

2011年08月29日

優良家庭犬

トレーニングをしているお客様が今度マナーハンドラーテストという試験を受けます。
優良家庭犬普及協会という団体がおこなっているこの試験は、元々あったグッドシチズンテストという試験を一般の飼い主でも受験しやすいように簡略化された内容の試験です。
試験の内容はスワレ、フセ、マテなどだけでなく、他人が犬を触る、知らない犬とのすれ違い、足拭きやブラッシングなどの様子を見られ、審査されます。規定の科目をすべてクリアすれば試験合格です。

試験の内容は家庭犬として社会に求められるであろう基礎のトレーニングやマナーの部分が盛り込まれており、ちょっと今の実力を試すには良い試験かもしれません。

ただ試験というのは実際のリアルシチュエーションとは違いますし、もともと他人に触られるのが苦手な犬であっても、試験内容は練習やテクニック次第で合格できます。
でもせっかく試験を受けるのだったら小手先のテクニックで誤魔化さず、ちゃんと普段の暮らしの中で改善されるように練習をしてほしい。そんな風に思います。

他人に触られるのが苦手だった犬が試験合格という目標のために練習し、結果として日常で他人に触られることに慣れることができたとしたら、それだけで合格以上の価値があると思います。

試験だけではないですが、なにか目標があると自分の犬にしっかり向き合う良い機会になりますね。


まぁでも受ける限りは合格目指して、その方がより良い思い出になるでしょうし!
さぁ試験まであと少し。自分も頑張らないと!

posted by 安田和弘 at 16:21| Comment(0) | ドッグトレーニング