2017年03月20日

犬に話かけないDay その2

犬に話しかけないで過ごしてみる日を作ってみる。そんな突拍子もないような話には意外な効能があるそうな。そんなお話の後編です。

前回は犬とのコミュニケーションにおける部分。犬は言語コミュニケーションをしない動物だから。犬が本来おこなっている身体の仕草を用いての会話「ボディランゲージ」を学ぶために「話しかけないDay」をお勧めしましたが、今回はトレーニングについて。

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初めての場所に行ったりなどして犬が座らない状況のとき。つい飼い主さんは「オスワリ!オスワリ〜!」とキュー(指示のこと)を連呼しがち。実際お店に初回カウンセリングにみえる方の多くがそんな感じ。まず犬が指示を聞いてくれない理由を冷静に考えてみたい。
よく言われがちなのは、分かっているのに「わざと」しないというもの。このわざとという表現を自分は好まない。犬の学習は損得勘定。座れたら大好きなご褒美をあげようという状況でわざと言う事を聞かないなんて、犬にとってなんのメリットがあるのだろうか。

犬を悪者にする前にまず疑ってほしいのは、普段と環境が違って何をして良いのか犬が分からなくなっているのでは?ということ。実際それが一番理由として多い。
犬の学習はその時の環境に大きく影響される。例えば「自宅のリビングで」「お客さんなどがいない静かなときに」「飼い主が」「しゃがんで」「手にオヤツを持って」オスワリと言ったときに犬が座れるとする。これら全てがオスワリの行動を起こす条件になっている。もし場所が自宅でないだけでも犬はなにをして良いのか分からなくなってしまう可能性は高い。

で、分からなくなってしまったときに飼い主が最初にするべき対応は、まずキュー(指示)を外すこと。どうせ言ってもやらないのに闇雲にキューを連発するのは言葉の無駄使い。言われる度に犬は飼い主の言う事を無視する癖がついてしまう。それに犬はガミガミ言う人が苦手。熱意を正面から向けると徐々に飼い主から視線をそらしてしまう。

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じゃあどうやって犬に再び行動をさせるか。
まずは一旦落ち着いて。
犬がなにをすべきだったかを気付けるようなヒントを出してみる。ヒントというのは行動を教えた過程の方法。トレーニングがうまくいかない時の基本は一つ前に戻ること。
オヤツなどで動きを誘導して当初教えたのなら、それがヒントになる。室内で教えた行動が外でできないのなら、集中しやすい場所を探してそこからやってみるのも良いと思う。環境設定は大きなヒントになる。
飼い主自身がどうやってその行動を犬に教えたのかちゃんと理解できていれば一つ前に戻るというヒントの出し方は簡単だ。
問題なのは偶然、あるいは飼い主も無意識のうちに犬が行動を覚えていた場合。よくあるのはトイレの問題。飼い主が特に教えたわけでもなくなんとなくシートでできていた犬がある日を境に崩れてしまったとき。飼い主はどうやって再び教えたら良いのかに困ってしまう。本当は偶然覚えたなんてことはなく、必ず学習できたキッカケが存在するはずなんだけれど。
そういった点からトレーニングは単に覚えれば良いではなく、教えている過程が大事と言える。

そんな出来そうで出来なかった状況を克服させることを繰り返すことにより、犬は少しずつ普段と異なる環境でも安定して行動できるようになっていく。
大事なのは分かっている、理解しているはずと決めつけず、犬目線で分かりやすいように導いてあげること。

自分は指示を聞ける犬というよりも、空気を呼んで必要な事に気付ける犬が好き。
声を荒げなくとも自然と飼い主が望むことに気付ける犬はスマートでカッコいいと思う。
犬に話しかけないでハンドリングをしてみると実際どの程度行動を理解できているか分かる。しっかりとトレーニングをしている犬と飼い主なら言葉の指示がなくとも座らせたり、待たせたり、近くに来させたりといった動きができるはず。

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トレーニングにおいての犬に話しかけないDayの目的は、本当に必要な声掛けを見つけるためにある。言葉を無くして接してみると、本当は言わなくても行動できていた不要な言葉や、言うことでマイナスの印象となっていた言葉に気付ける。

犬を学ぶための一番の先生はその犬自身。
「話しかけないDay」を通じて、ぜひ皆さんも自分のワンコ先生からの個人指導を受けてみては?


posted by 安田和弘 at 16:13| Comment(0) | ドッグトレーニング
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