2016年05月03日

芸は身を助ける

トレーニングに通う飼い主さんはそれぞれ目的が異なる。

パピーを迎え、将来良い子に育てたい。
通うことで犬に継続的な社会化をさせたい。
問題行動があってそれを解決させたい。
犬という動物を学びたい。
犬との暮らしをもっと楽しみたい。

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自分としては共通して、犬との暮らしをより豊かにするお手伝いしているつもり。そんな十人十色のトレーニングだけど一番登場回数の多い道具といえばやっぱりクリッカー。
時に目的をもって、時にお遊びで。犬に様々な新しい行動を教えるための便利ツール。

〇〇な行動にお困りのあなた!こんな行動教えたら役立ちまっせ!
〇〇を怖がる子にはこんな行動を教えてみたらもっと自信がつくんじゃない?

そんなお話から新しい行動を教えてみよう、みたいな流れになる。で、無事に行動を犬が頑張って覚えてくれました!とここまでの流れは良い。ただ問題はその教えた行動を本当に暮らしに活かせているかというところ。今回はその辺の分かれ目について。

例題として「首輪に犬自ら顔を通す」という行動を新しく教えるとします。
普通の首輪だと顔から通すくらいの余裕のあるサイズだと散歩へ行ったら抜けてしまう。便利な道具はあるもので下記写真のような顔から通しても抜けない首輪があります。

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この道具は犬が後ろに下がる動きをした瞬間、部分的に首輪が閉まる動きをするため抜けることがない優れもの。ヘッドが浅く首輪が抜けやすい柴犬などにはお勧めの商品です。
と、商品紹介はこの辺にしまして。

散歩へ行くとき首輪を付けようとすると逃げる。実はけっこう多い相談。散歩は好きなんだけど、捕まって身体を拘束されるのが嫌い。それがこじれると犬は意地でも来なくなる。そんなときに犬が自ら首輪に顔を通してくれたら?そりゃ飼い主からしても楽だし、犬としても楽しく散歩へ行けるってことで悪い話じゃない。
そんな訳で、見事トレーニングで首輪に顔を通すように犬が覚えてくれました!それ以降散歩へ行くときにも逃げなくなって大助かり!という飼い主さんもいれば、結局練習するときには顔を通してくれるのに、いざ散歩へ行くとなると何故か上手くできない、という飼い主さんもいる。
この違いはどこにあるか。
それはトレーニングの計画性と、犬の学習の理解、後はハンドリングだと思う。

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トレーニングには計画性がいる。首輪を通すことを覚えたら次は場所を変えてみたり(玄関や庭)、姿勢を変化させてみる(飼い主が座る、立つ)それも出来たら今度は決まった時間以外にも抜き打ちで練習してみる(犬が寝ているときに呼んでいきなり始める)
そうやって様々な状況でも出来るようにする。いわゆる般化トレーニングを重ねていく。

後は犬の学習を理解すること。よく練習ではオヤツをあげるのに何故か本番(散歩へ行くとき)にはあげない方がいる。本番でこそオヤツをあげるべきなのに。また、覚えたての行動に苦手意識を混ぜるのも厳禁。例えば捕まえて苦手なブラシをしたいからと新しく覚えた行動を使ってしまうといったこと。追々やるならともかく、最初はやはり嬉しい結果のときにこそ使うようにしておきたいところ。

そしてハンドリング。首輪に通すという行動のポイントは、飼い主からは首輪を犬に近づけないこと。あくまで犬が自ら顔を通すという所が重要。けれどお散歩に行くときはその間を待てず、つい焦って首輪を犬に近づけてしまう。で、犬はそれに焦って首輪から逃げる。最後は無理矢理、騙し騙しに付ける。そうして次の機会からは犬は警戒し空気を読んでしまい、また騙し騙しという悪循環。

このように考えるとトレーニングを物にするためには努力と忍耐が必要です。そこを気を付けないとせっかく教えた行動も一芸止まりで終わってしまう。
芸は身を助ける。
この言葉の通りにするために、目の前の結果に焦らず計画的な練習をしていきたいものですね。ドッグトレーニングの醍醐味は努力が実った瞬間を実感できた時だと思うから。





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おまけ
こどもの日にちなんだ一芸です(笑)


posted by 安田和弘 at 19:28| Comment(0) | ドッグトレーニング
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