2016年04月05日

犬の緊張感はどこからくるの? 後編

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動物病院で犬を緊張させない工夫。前回のブログの続きです。
今回は写真と内容には一切関わりありません。春爛漫の桜をお届けします。

「○○ちゃ〜ん!大丈夫だよ、大丈夫〜!すぐに終わるからね〜!」

やや高音な声で犬に話しかける。動物病院の診察台の上でたまに見られる光景。実際に見ると必死に暴れる犬を飼い主なり看護師が抑え込んでいたりする。診察するときに犬を動かず固定する持ち方を保定といいますが。

結論から言うと、自分は保定の際には基本声をかけない派。なぜ声をかけないか。犬からの信頼というのはどんなことか。今回はそんな話。

まず大前提として、犬は言語によるコミュニケーションには頼らない動物。
当然大丈夫という言葉の意味は分かりません。犬にとって大丈夫かどうかの判断基準は、その環境が普段と違うかどうか、差し迫った脅威が近くにあるか、また飼い主の様子が普段と違うかどうか、そういう情報から現在の状態が安全か危険かを判断してたりする。

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言語によるコミュニケーションはしなくても、言葉と出来事を関連付けることはできます。例えば「お散歩」という言葉の後に、外へ出かけることが繰り返し続けば、「お散歩」と言われると外へ行けると喜ぶようになる。

では病院で診察中に言われる「大丈夫」はどうか。大丈夫と言われた先に怖がりる犬には救いが来ない。
大丈夫と言われたのに、その後にも怖い体験や時間が続いてしまうと、その言葉、その人の信頼は失われてしまうように思う。そうなると「大丈夫」という言葉は犬を不安にさせる合図となり、声をかける度に犬の不安感は大きくなってしまう。

病院での治療や保定なんて大したことじゃないって印象付けたいわけだから、こっちも普段通りにしている方が違和感ないだろう。犬の不安を取り去ろうと普段と違った雰囲気で犬の傍にいたら、その人に安心感を感じられなくなってしまう。犬が困ったときこそ、飼い主は動じずいてほしい。
自分が犬を保定しているときは必要以上に声もかけない。ただ保定を終えた瞬間は愛情を込めて声をかけたり褒めたりする。そのとき多少オーバーなリアクションになっても問題ない。

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保定をするときに大切なのは、犬にいつからいつまで我慢する必要があるのかを教えることだと思っている。
保定をしているときは犬が暴れない限り、なるべく力を入れず脱力して優しく包み込む。このとき犬に身体が密着している面積は大きいほうが良い。犬が暴れるときも抑えるというより、身体を固めて固定する方が犬が落ち着くまでの時間は短くなりやすい。
そして処置が終わり保定を止めるときは一気に解放してあげる。我慢をする時間はこれで終わりだよ、の合図として。このとき終わりを強調するためにオヤツを使ったりするのがお勧め。

ここからは病院でのハンドリングに限ったことではないけれど、
どうしても保定をするときは犬は少なからず緊張感を感じてしまう。でもその緊張感の出所が飼い主に対してであれば犬は悪くならないように感じている。
緊張感の出所が飼い主ではない何かになってしまった時が問題。具体的に言うと散歩中に他の犬に高反応してしまう犬をハンドリングしていたとする。そのときに飼い主が犬に対してプレッシャーをかけたとする。例えばマテの指示。そのとき犬が飼い主の指示に対して緊張をしているのならば悪くない結果にできる。
ただ同じようにマテの指示をかけた場合に、近づいて来る犬に緊張をしている状態になった場合、たいてい犬は指示を守りきれず相手の犬に対してなんらか反応をしてしまう。こうなってしまうと飼い主の指示は火に油。ただ煽っただけのマイナスなハンドリング。
この二つの分かれ目は相手の犬に対してどれだけ恐怖心があるのか、また飼い主に対しての関係性によって違ってくる。こういう表現があるからこそ、人によっては上下関係がどうとか、リーダーがどうとか、そういう見方になるのだろう。
自分は少し違った視点で考えている。またそれは別の機会に語ります。

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病院で犬を緊張させないためには、やはり日常的に保定動作を練習しておくのが良いと思う。日々の繰り返しがあってこそ、犬は慣れた様子で診察を受けることができるから。
やっぱり犬が健康で長生きするためには病院の存在は欠かせない。だからこそ犬にとって病院が悪いものにならないように飼い主は普段から出来る努力をしてあげたいですね。

posted by 安田和弘 at 20:32| Comment(0) | ドッグトレーニング
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