2018年08月11日

癖になった行動を変えるには

突然ですが!
ぱっと腕を組んでみて下さい!右手か左手どちらが上になりましたか??

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今度は意識してさきほど組んだときと反対の手が上になるよう組んでみてください。
組んだら一旦手を戻して。
これを何度も繰り返すと、そのうち無意識でも反対の手が上になる組み方ができると思います。いわゆる反復学習というものですね。

けれど数日後にでも突然腕を組んでみると・・・また一番最初にしていた組み方に戻ってしまう方は多いはず。
癖というのはそう簡単には変わりません。常に意識をして習慣化するまで続ける必要があります。

実はコレ、ドッグトレーニングでも同じ話。
癖になってしまった行動を変えたい。

・引っ張り癖
・吠え癖
・飛びつき癖
・咬み癖

問題行動の相談ではよく「癖」の文字が付いている。
癖となった行動も、初期にはなにかしら癖になるだけの理由はあったわけで。ただ行動が繰り返されていくうちにより手短に手軽にその行動をするようになっていく。
癖と言えるほど繰り返し強化されて続けた行動。どうにか減らしたいとトレーニングの相談にみえる方は多い。

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そこでトレーナーは学習理論に基づいて様々なトレーニング方法をアドバイスする。

・代替行動分化強化
・他行動分化強化
・非両立行動分化強化
・正の弱化、負の弱化
・馴化
・消去

などなど行動を減らすと言っても様々な手法がある。言葉はごちゃごちゃして紛らわしいが、理解してしまえばどれも至ってシンプルな内容ばかり。
興味あるぞという方は google先生にでも、
安田にでも聞いてみて下さい。


せっかくなので一つ、代替行動分化強化というものを説明します。

これは人にとって望ましくない行動の替わりに別の行動を強化するという手法。

たとえば、
人がソファで休んでいると、退屈でおもちゃで遊んでほしくて、それを吠えて催促する犬がいるとします。

・人がソファに座っているときに
                ↓   
    犬が吠えると
                ↓
    犬が喜ぶおもちゃで遊んであげる。


この吠える行動が遊びの始まる合図になってしまっている。


・人がソファに座っているときに
                ↓
 犬がベッドで休んでいると
                ↓
 犬が喜ぶおもちゃで遊んであげる。

こっちの「ベッドで休んでいる」行動に合図を替えましょうということ。

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犬は吠えてもおもちゃで遊んでもらえないが、替わりに、ベッドで休んでいるときはおもちゃで遊べる。
これを徹底していると犬は遊んでほしいときはベッドに行って休んで待つようになる。
これが代替行動分化強化。

さてここからが本題。
癖になった行動である[吠え]
吠えても、犬にとって好ましい結果[おもちゃで遊ぶ]という結果は得られない。
この結果を与えないで行動の癖をなくす手法を消去といいます。

この消去という学習はときに動物にとってはフラストレーション、ストレスがかかる。
言語で犬の気持ちを代弁すると、
「なんで今までは吠えると遊んでくれたのに、突然遊んでくれなくなったんだよ!」みたいな感じ。

でも学習理論に沿った手法で、替わりの行動をすれば遊んでもらえると教えられたら?ストレスは少なくなる。その学習をさせるのに必要なのは継続性と一貫性。

では中途半端に消去をしたり分化強化をされた犬はどうだろう?
「昨日は吠えると遊んでくれたよね?今日はだめのかな?もっと吠えればいのかな?!」

犬は答えがはっきりしないコミュニケーションに永遠振り回されるはめになる。


問題行動を治すトレーニングをおこなう時、飼い主には習慣を断ち切る精神力が求められる気がする。
ただ一番ストレスを感じているのは犬。
最近はトレーニングで罰的な方法が推奨されなくなってきた。それは犬に痛みや苦痛を用いて教えることが効率的ではない事。そしてなにより人道的ではなく、可哀想だから。
けれど罰的な刺激を使わないトレーニング=犬に優しいというわけではない。
消去の学習では罰は使わないけど、犬は学習するまでにはイライラするし、場合によっては多大なストレスがかかる。
そこは忘れちゃいけない。

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だから消去のストレスを最小限にするためには日替わりのような気まぐれな接し方ではなく、
必要なのは、

ルール(手法)が定まった接し方
[計画性]

学習するまで根気よく続ける
[一貫性と継続性]

人間自身も犬への接し方を意識的に変えるのはほんとに大変!!
トレーニングの計画性が人にも犬にも合っていて成果が出そうならば、せめて3週間くらいは一貫性を持って続けていただかないと、行動は習慣には変わらない。

犬には常に人の都合に付き合ってもらっているだけだから、飼い主、トレーナーを含め、人間は犬の努力が無駄にならないように真剣に頑張らないといけませんね!

posted by 安田和弘 at 17:51| Comment(0) | ドッグトレーニング

2018年08月03日

猛暑が続いてます

一旦は少し和らいだかなと思えた暑さ。再びキテますね。
「災害レベルの暑さ」そんな言葉初めて聞きました・・・。

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犬との暮らしで暑さほど厄介なものはありません。
新鮮な水が絶えないようにいつもより気を付けるのを始め、
散歩へ行く時間も制限してアスファルトが暑くない時間に行かないといけない。
車で待たせられない。
お留守番だけでなく夜にだってエアコンかけっぱなしにしなきゃだし。
万が一留守中にエアコンが壊れたら?!というもしもにも備えななければいけない。
命を守るために気を付けなければいけない事がたくさんあります。


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ビーは猛暑だろうと庭での日向ぼっこが好き。ただビーはいつでも自由に自身の意思で部屋に戻れますが高齢なので心配。体調の変化は小まめに見て、もし一定時間を超えても部屋に戻らなければ呼び戻してます。



・・・と、そんなことは恐らくこのブログを読んでいる方々は熟知していることと思います。

ただ知らない人も実はたくさんいるわけで。

路面温度が60度を超える炎天下の中でも散歩に行っていたり。

車の中で(本人は短時間のつもり)エンジンを切って犬を待たせたり。

日差しを遮る場所も、新鮮な水もないような室外で住まわせていたり。

犬の体調の変化に気付かず熱中症寸前の状態でも放置していたり。

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犬は言葉を話せません。
自分の意思で家を自由に出入りすることや、
誰かに助けを頼むこともできません。
とても我慢強く、
置かれた状況がどんなに劣悪であろうとも必死で適応しようとする動物です。

ではそんな弱い立場の動物を夏の猛暑から守れるのは?
もちろん飼っている人間。そして犬を熱中症にしてしまうのも人間です。
だけど飼い主さんもよほどの悪人でなければ殺意があって犬を熱中症にするわけではありません。
ただ知らないだけ。知識や経験がなく、これくらいなら大丈夫だろうと軽率に考えた結果で熱中症にしてしまう方がほとんどだと思います。

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だから自分の家の近くに、昼間の炎天下で繋がれいる犬や歩いている犬を知っているならどうかそのままにしないで。
近所の関係で直接そこの飼い主に話しにくければ、保健所に電話をするだけでも。行政なら相談やアドバイス、場合によって現地確認をしてくれます。
それももし出来ないなら、せめて身近な誰かに、自分にでも良いから。とにかく誰かに話をするだけでも。
思うだけはなくなんらか急ぎ行動をしてほしい。

ひょっとしたら相手は話せば通じる飼い主さんかもしれません。
もし通じないとしても犬の命が危険だと感じたのなら動くべき。

犬は自分の力ではそこから逃げることも、苦しみを誰かに伝えることも出来ないから。

以前真夏に少しだけねとお客さんの犬と外を歩いていたら、見知らぬ人に声をかけられました。
その人は、
「こんな暑い日に犬を連れて歩くなんて危ないです。今すぐ家に戻って下さい。」
そう自分たちに向かって話しました。

こちらからすれば本当に1分未満の一瞬だけ外に出しただけなのに〜と誤解だよと言いたくなる話でしたが。でも自分は言えることが素晴らしいと思いました。

自分のお客さんの中には外で犬を飼われてる方もいらっしゃいます。ただ外飼いとは言え、空調を工夫されていたり、日陰をしっかり作ってあったり、熱中症対策はキチンとされています。
だから一見危ないと思えても実は勘違いだったというケースは多々あるでしょう。

けれど自分は誤解であろうがなかろうが見過ごしてしまうよりはよっぽど良い。そう思います。


後で後悔する結果にならないように。
どうか近所で苦しんでいる犬を見かけたら、なにか思うだけではなく、行動を取って下さい。
今年の暑さは、まぁとりあえず様子を見よう、では済まない。
本当に危険な暑さだから。

お節介と思われようが、
誤解だったという結果になろうが、
行動で守れる命があると自分は思います。

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posted by 安田和弘 at 20:12| Comment(0) | inthedog