2015年12月29日

ゆく年くる年

940。
この1年で個別にトレーニングした件数です。
なんとなく数えてみましたが。これがトレーナーとして多いのか少ないのかは分からないですね。
そのトレーニングの数だけ「個性」の発見と出会いがありました。
inthedogで出している新聞の1月号を読み返すと、「今年もまだ見ぬ個性との出会いを楽しみに」と書いていた。まさにその言葉の通りの1年になったと思います。

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自分が犬との暮らしで当たり前だと思う感覚はなにも常識などではなく、その家庭によって大きく違いがあり、そして変わり続ける。
それを分かっているようで分かっていなかった。正解不正解という事ではなく、その人その犬の交わりこそが個性になっていくのだと改めて痛感。
トレーニングはその個性に合わせたものでなければいけない。それでも全て個性なんだと当たり前にしてもいけない。本当に一筋縄ではいきません。
けれどそうした発見の日々があるからこそトレーナーとして成長でき、やりがいを感じられるのですね。だから長い間お店と関わり続けて新たな個性に出会わせてくれる方、そして新しくお店に訪れまだ見ぬ個性を教えてくれる方、皆さんに感謝です。

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来年はいよいよお店は10周年を迎え、特別な1年になると思います。その歳月の分だけinthedogも成長していけるよう頑張ります。そして様々な個性との出会いを楽しみに。

今年もありがとうございました。
2016年は1月4日(月)からの営業となります。あ、それと福袋は数に限りがありますのでお気をつけ下さいね!
それでは良い年をお迎え下さい。

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posted by 安田和弘 at 21:35| Comment(0) | inthedog

2015年12月18日

食べ物をつかうということ 後編

食べ物を使ったトレーニングについてのお話。今回は後編です。
前編では食べ物を使ったトレーニングの有効性についてを少し書きました。今回は食べ物を使ったトレーニングでおこりうるデメリットについてのお話です。

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我ながらトレーニングで食べ物を使いすぎているかな?と思うときはある。それはきっと前回にも書いたとおり、数ある報酬のなかで食べ物というツールはとにかく使い勝手が良いためだろう。社会化をするときだって闇雲に他人に触ってもらうよりも食べ物を与えながらのふれあってもらった方が印象は良くなりやすい。ブラシやハウスに入れる、そういう日常で嫌がられそうな事柄も食べ物を関与させておいた方がベターだ。自分は犬に新しい行動を教えるときにクリッカーを使うけど、このトレーニングも食べ物は外せない。
では食べ物を用いたトレーニングの問題点となんだろう?

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一つはその存在感。
例えば食べ物を持って犬を呼び、来たらご褒美をあげる。一見呼び戻しのトレーニングになっているようだけど、犬目線では「食べ物を持っている」というのが呼ばれたら行くかどうかの条件に含まれたハンドリングになっている。
飼い主が呼んだから喜んで来る、それを教えるつもりが、食べ物があるときだけは呼ばれたら行く、そんな風に予期せぬ理解をされていたら・・・まさしく食べ物で釣っているだけ。
使い方を気をつけないと食べ物は存在感が大きすぎるために伝わり方の方向性がズレてしまう。とは言っても少しの工夫で修正できるので飼い主さんの工夫次第の問題でもある。

そして自分が思う大きな問題とは褒めベタなハンドリングになってしまうオーナーが多いということ。
犬のハンドリングを当時学んでいたとき、自分の声掛けだけで犬の尻尾を動かしたり、止めたりしてみるという練習をした。なんで?と思うかもしれないけれど、犬をコントロールするには動物に伝わる表現力を身に付けるのはとても大切なこと。具体的には飼い主の声の強弱、表情、身振りなどがそれだ。楽しそうな雰囲気を出して喜ばせられる、不機嫌な雰囲気のときにはそれを察し遠慮してもらう。言葉を用いた言語コミュニケーションではなく、犬には犬の理解の仕方があり、その伝え方が上手になると暮らしは自然とうまくいく。ただ食べ物を使うとそのコミュニケーションスキルを磨かなくても一定の効果が出るため、それらを練習する機会も後回しにされがちだと最近思う。
パピー期の刷り込みでいろんな出来事に良い印象を付けるため食べ物を使う頻度を増やしたとしても、やはりそれと別に飼い主はコミュニケーションスキルを学び、犬に伝えられるようにならないといけない。それができれば食べ物を減らしていく過程もスムーズになるだろう。

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そう、食べ物はトレーニングの経過に合わせて本来は徐々にフェードアウトさせていくのが理想。でもそれがなかなか難しい。トレーニングに飽きると徐々にではなく突然きっぱりあげなくなる方も多い。その場合にはもちろんそれまでの過程が順調だったとしても学習は振り出しの方まで戻ってしまう可能性は高いだろう。
もっと怖いのは依存。あげないと落ち着かない、あげないとその行動が消えてしまうのではないかという不安感から減らす過程に移行させられないケース。そんなのある??と思う方もいるかもしれないが攻撃性でのトレーニングの場合にはそういった不安感は感じやすいと思う。これも場合にはよるけれど、一生あげ続けても問題のない行動であれば無理に減らす必要はないと思う。(例えば散歩後にする足拭き。一日のうちにやる回数が少ない事柄のため食べ物を一生あげ続けるといっても難しいことではない)
食べ物使って何かを教えると決めたならば最初はケチケチしないでガンガン使う!その後のフェードアウトのことは犬が学習してきてから考えれば良いことだから。

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話が長くなってきてしまいました。自分のなかでの結論は、食べ物を用いたトレーニングはどの犬であれ素晴らしい成果を期待できること。ただそのためには犬の学習を使う人間が理解しておく事、そして食べ物とは違う部分で犬との関係を築く努力が重要。
疑われるのではなく信頼される飼い主になるために。自分にとってドッグトレーニングとはシンプルに言えばそんなことが目的なのかもしれません。食べ物はあくまでそのための一つの手段。上手に使いこなせるように、人は学ぶ気持ちを持ち続けなければいけませんね。

posted by 安田和弘 at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ドッグトレーニング