こういった咬傷事故、実は年間全国で4000件以上起こっています。そのほとんどが野犬などではなく飼い犬によるトラブル。
これもあくまで届出があったものに対しての数なので、実際どれぐらいの数の事故が起こっているかは計り知れません。
犬による咬傷事故状況(都道府県・政令市・中核市別) 平成22年度
http://www.env.go.jp/council/14animal/y140-29/ext/03_3-2.pdf
故意に怪我をさせてやろうなんて飼い主は基本的にはいないと思う。この数だけ飼い主としては不意の事故だったということになるのだろう。
もし首輪が外れたことが問題だったとすればこれは防げた事故だったかもしれない。
その犬に合った首輪なり胴輪というものがあります。一度でも抜けたことがあれば、道具と犬の相性が悪いと疑うべき。次はないだろうという考えは危険です。例えば日本犬など後頭部の浅い犬種はサイズが少し合っていないだけでふとした拍子に抜けてしまうことがある。
リードとの相性が悪くないかもチェックしておけると良いでしょう。知恵の輪のようにナスカンがリングに引っかかるとスッと外れてしまう組み合わせもあります。
道具は消耗品です。長く使っていると知らず知らず強度が落ちていることだって多い。犬種や活発さによっても違いますが、定期的に取り替えてあげることも大切です。
靴と同じような考え方で、毎日同じのを使い続けるよりもローテーションしながら首輪やリードを使ってあげると比較的長持ちします。
また状況によって行動が変わるという点も気をつけておかなければいけません。
犬は障害物に阻まれて(フェンス、リードを付けられた状態も含む)自由に行動できない状態に不快感、緊張感を持ち興奮状態になることがある。この状態をバリア・フラストレーションといいます。
自分が知る咬傷事故の多くがこのバリア・フラストレーションの影響が強いように感じる。その犬にとって苦手な犬、人に出会ったとき、それがフェンス越しだっり、リードを付けた状態で、もし不意にフェンスから飛び越えられたりリードが外れれば犬は高い興奮状態で対象のところへ向かっていく可能性が高い。
道具にせよ、飼育環境にせよ一度起きたトラブルはまた起こると思って早期に改善することが最重要。
庭などから一度でも抜け出したことのある犬は、出られた経験による学習から次も同じことをする可能性は高まります。
散歩中の犬を触りたいと思う人も注意が必要。
「触っても良いですか?」
この一言を前もって言っていただけると嬉しい。
犬の行動に対して「絶対」という言葉を自分は使いません。だって生き物ですからね。
ノーリードの散歩での咬傷事故も全国では届出のある数だけで毎年1000件を超えています。
自分の犬は大丈夫と思わず、万が一に備えて日頃から道具や環境のチェックをしておくこと。
今回の事件によって改めて考えさせられました。